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力の供給ラインから、それに沿って通路を割り出す方法だ。
資料を調べていると、レーヴェは妙なものを見つけた。
(試験結果リスト……? )
そこには何人かの姿絵と詳細な記載事項が印されている。
そこには不適合やら、失敗などの言葉の羅列が列んでいた。
(これらは超人兵召喚計画によって呼び込んだ人間の試験リスト……? 今だ成功例は一人もいない……全て不完全……。結果を出さないと、研究所が閉鎖される)
レーヴェが食い入るように読んでいると、クェイガーはため息をついて資料を放り出す。
「駄目ですな。此処にあるのは試験のデータベースだ。設計やらシステムの資料は無い。他の資料室を探そうやレーヴェちゃん」
その言葉を聞いても、レーヴェは難しい顔で資料を見つめたままだ。
不思議に思い、クェイガーが話し掛けようとした間際だった。
激しい鳴動が建物を軋ませる。
地震に似ているが、この局所的な振動は別のものだ。
ミシミシなり響く亀裂の音が耳障りに響く。
揺れは思ったより長くは続きはしながったが、定期的に震えが伝わって来た。
「なんだ?」
「魔力の気配じゃないけど……攻撃を受けてる?」
レーヴェ達が部屋の外に飛び出すと、ちょうど黒コートの一人が姿を現す。
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