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「面倒な奴が現れた。貴様■は退避しろ」
「面倒……?」
「冥魔黎明衆だ。妖骸喰いと赤い■だ」
レーヴェの疑問に答えたのは、影の中からの声であった。
影から先ほどの影法師が飛び出して来る。
その姿をレーヴェは冷静に眺めた。
(影をマーカーにした局所転移ゲートを使ってる……訳じゃない。これはシャドウサイド【影側】の亜空間を使用した“影渡り”)
それを同じく見つめていたクェイガーも、同様の結論に到達する。
(影使いか……。上位クラスの闇使いだと……厄介だな)
苦笑いを浮かべたのは、闇使いを知っている気がしたからだ。
影使い、闇使い共に特殊能力使いの中でもトップクラスの位置付けにあたる。
しかし、クェイガーの知っていると感じた感覚は、もっと身近なものだ。
カシアジイーネ連邦共生国は精霊使いを多数抱える連立国家である。
クェイガーの感覚はそこから来ているのだが、この時は当人にもあやふやな感覚でしかなかった。
「冥魔黎明衆か。後々、本丸を落と■としたら奴らは厄介だ。こ■場で消しておくか? 今の我等な■奴らにも負けはせん」
「駄目だ。妖骸喰いは“黒■戦鬼”の足止めをかなりし■いた筈だ。奴を殺してはタイムス■ジュールに齟齬が起こる可能性が高い。こ■は撤退だ」
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