望まぬ過去 #3

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クェイガーは片手を振って突風を起こすと、土煙を綺麗に吹き飛ばした。 大地には断崖のような大きなクレーターが出来上がっている。 その中心に、半ば大地に埋まった外なる紫眼の姿が見えた。 クェイガーはその姿を見て、喜ぶどころか眉間にシワを寄せる。 これだけの規模の攻撃を受けて、原形を留めているのは余りに不自然だ。 「まさか……な」 眺めていた顔が徐々に引き攣っていく。 瓦礫の落ちる音の中に、微かなうめき声が混ざる。 体の自由はきかないようだが、外なる紫眼はゆっくりと腕を上げて頭を押さえている。 「おいおい……。マジに不死身かい」 クェイガーはげんなりとしながら、この後をどうするべきか本格的に悩み出した。 土煙の晴れた大地には、かなりの距離を吹き飛ばされた各々の姿があった。 その中で、レーヴェだけが元居た場所に悠然と立ち尽くしている。 背に浮かぶ二重円の魔法陣以外に、身体全てを包む複雑な羅針盤のごとき魔法陣が取り囲んでいた。 その少し背後に麒麟兄妹が。 対面のかなり後方にガズンが。 その更に後方に膝をつくシュードバッハと、頭を振りながら立ち上がる円城の姿がある。 「派手にやりやがったな、あの野郎」
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