望まぬ過去 #3

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円城は不敵に笑うと拳を握りしめた。 他の二人が一矢報いているなら、次ぎは自分の番である。 「とりあえず……」 左手で右手首を握りしめ、指をゆっくりと握り込む。 (奴は意地でもぶっ飛ばす) 大きく息を吐くと、膝立ちのシュードバッハに身体を向ける。 大きく腰を落として、右腕を後方に引き絞った。 叫ばなければいいようなモノだが、円城は大声を張り上げながらシュードバッハに突進する。 その声に気付いて、シュードバッハは苛立ちながら舌打ちした。 「懲■ずに面倒ですね! 足の一本はへし折らせて貰いましょうか!」 シュードバッハが円城の姿をしっかりと捉えたと思った瞬間、円城は足元を掬い上げるように拳を振り抜いた。 アッパーカット。 一撃で大地は削れて、爆ぜ割れながら岩の塊となってシュードバッハに飛ぶ。 岩石のカケラが津波のように押し寄せるのを、シュードバッハは微妙に右目だけを細めて睨みつけた。 その塊が空中でピタリと止まる。 空に浮かぶ岩の群れは、地上に出来たアステロイドベルトのようだ。 「貰ったぁ!!」 岩の群れの端から円城が飛び出す。 それに即応して、シュードバッハは身体を後退させながら迫り来る拳を視野に入れた。 。
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