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その様子を唖然と兵士達は見送ったが、対象が消え去った為に視線は残っているメンバーに注がれる事になった。
いつの間にかレーヴェの変容と魔法陣は消えている。
「冥魔族じゃねぇーようだが……何の騒ぎだこりゃ?」
「まあ~。ちょっと事情が込み入っていてね。概要は教えられないな」
スキンヘッドの言葉に、真上から返事が返ってきた。
見上げた先には、地上に迫り来るクェイガーの姿がある。
地上に降り立つのを確認する前に、スキンヘッドは肩から多節鞭を抜き放った。
威嚇のつもりらしい。
「てめぇーは何処の国の部隊だ? メルテシオンじゃ見かけねぇー顔【ツラ】だな?」
スキンヘッドの答えに、クェイガーは明後日の方向を見ながら頬をかく。
「まあ……。そうだな。俺達はカシアジイーネ連邦共生国の者さ。今は極秘任務で動いていてね。少々迷惑をかけた」
「極秘任務だぁ?」
スキンヘッドは疑いの眼で残ったメンバーを見渡した。
クェイガー以外、全員子供の域を出ない。
あからさまに不自然なメンバーだ。
特に角もちの麒麟兄妹が目立つ。
彼等はレーヴェの変貌が解けてもその場に残っていた。
亜人は珍しくは無いが、戦場に子供だらけと言うのは奇妙に思える。
「うさんくせぇー面子じゃねぇーか。闇染作戦の前にゴタゴタは御免だが、ちょっと顔を貸せや?」
睨むスキンヘッドの言葉にクェイガーは肩を竦めた。
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