89人が本棚に入れています
本棚に追加
突如現れた二人に、クェイガーと円城には覚えがあった。
出会ってからたいして時間は経っていない。
だが、此処にいきなり現れる理由は思いつかなかった。
「あいつら……ハウゼンベリーの時の麒麟兄妹じゃねぇーか?! どうなってやがる」
円城は六度目のダウンから立ち上がると、現れた麒麟兄妹を疑問に満ちた顔で眺める。
「召喚……魔法? いや……転移か?」
同じように驚くクェイガーとは裏腹に、外なる紫眼と呼ばれた赤蛇族の青年は目を細めた。
「クンプトゥスの小鍵を起動させたのか……。確か■の能力は“アンリアル・リインフォース【夢幻の援軍】”。零次元から認識した平行■位体を、援軍として喚ぶ力。どれだけの戦力を内包している?」
「何やらレーヴェの力を、知っているようじゃないか!」
外なる紫眼の隙をついて風刃を生む。
放たれた風の刃は、されど後から繰り出された風刃に跳ね飛ばされた。
ノーモーションでの、風使いの技すらコピー出来るらしい。
攻撃を見せれば見せる程、敵が強化されて行く。
(長期戦は不利か……。レーヴェちゃんには前衛が付いたと考えて……。出し惜しみ無しでコイツを倒すのが賢明かね)
クェイガーはうっすらと笑みを浮かべると、いきなり空に舞い上がった。
最初のコメントを投稿しよう!