冥魔大戦開戦

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とりあえず行き当たりばったりなど愚の骨頂である。 戦いか、共闘か、停戦か、奇襲か、後退か、撤退か、戦術云々よりは先ずは戦略なのは兵法の基本と言えよう。 「奴らの狙い二つは流石に確定だろ? あの時、俺達に嘘を言う必要は全くないぜ?」 「それは同意だよ。目標はメルテシオン第四王女と、ここの地下にある召喚ゲートと思う。それは間違いないよ」 「それには俺も異論はない。問題はこの後俺達の取る行動だ。とりあえず、奴らの言っていた仲間説をどう判断する?」 クェイガーの質問に円城は露骨に呆れ顔をする。 慎重論など彼の辞書には載っていない。 「それはねぇーな。仲間だったとしても、それに付き合う義理も義務もねぇーよ。俺達三人が同時に記憶を無くすなんてあからさまに怪しいぜ。黒幕が仕掛けた仕業だとしたら、尚更意味が分からねぇー。何のメリットが在るんだ記憶喪失に?」 円城の発言は理に叶っている。 記憶を消しては任務に支障が出るのは明白だ。 そもそも任務を忘れては本末転倒である。 「黒コートが言っていた、別の何かの介入は?」 レーヴェの疑問にクェイガーは首を振った。 「俺もそれは考えたがその可能性は低いな。敵対組織だったとして、記憶を消す事なんて離れ業をするよりは、情報を引き出して俺達をバラした方が早いだろう」
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