冥魔大戦開戦 #2

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切っ先を見て、レーヴェはわざとらしく両手を上げる。 「何やってんだお前?」 「何って脅迫さ?」 「脅迫?」 不思議がる円城の前で、いきなりクェイガーは地面に叩き伏せられた。 一瞬で現れた蒼に後ろ手をキメられ、力付くで倒されたのだ。 関節を絞る蒼を見て、レーヴェが慌てて止めに入る。 「ちょっとまってよ! 今のは冗談! パフォーマンスだから止めて!」 そのやり取りを円城は冷ややかに眺めた。 間抜けな寸劇にしか見えない。 「何がやりてぇーんだお前ら?」 その言葉に、腕をさすりながらクェイガーは答える。 「つまり相手を信頼していようが、脅されたり、人質を取られたり、魔術をかけられれば、相手が本意じゃなくても酷い目にあう可能性は高いってことだ」 「そう言う事だね」 二人は例として、レーヴェと主従関係になった場合の危険性を提示したかったようだ。 安易に隷属の呪いを受ける危険性を。 それを考えれば、レーヴェの提案はかなりの良策と取れる。 「概要説明するとボクは地下へ、二人は王女護衛へ。先に襲われる王女の推移次第で二択に変更。黒コートが襲ってきた場合は護衛戦。連絡をくれればボクもそちらに向かうけど……直ぐに到達は無理だと思って欲しい。黒コートが襲って来なかった時は、ボクが二人を地下に召喚。召喚ゲート戦に移行。作戦自体はこんな感じかな?」
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