ロスト・ナンバー #2

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二人の黒コート。 予想外とはこの事だろう。 まさか、こんな道程で遭遇するとは。 (しまった……!! 考えが浅過ぎた) 索敵用の妖精の内側である。 まるで、待ち伏せしていたかのような絶妙なタイミング。 相手は戦力を集中するか、二分すると読んでいた。 しかし、相手は戦力を三分割して来るとは。 足止めだと考えると、黒コートの本命は召喚神殿と言う事になる。 後は時間の戦いだ。 がら空きの召喚神殿に行かせる訳には行かない。 鍵の保持者は確実に最下層であろう。 (見えている? 見えていない?!) レーヴェは生唾を飲んで身構えた。 既に麒麟兄妹は臨戦態勢である。 姿隠しの魔術は継続中だ。 上手くやり過ごすのが一番無難な選択だが、それが可能かは相手次第である。 レーヴェはゆっくりとトーラス・チェーンを取り出す。 レーヴェは対魔獣用の封縛専用のトーラス・フルートを幾つか用意して来た。 心許ないが、以前のような広域結界では無いため、相手を捕獲するには限りなく行動不能にする必要性がある。 黒コート相手にそれは限りなく難易度が高い戦術ではあるが、それしか現状では打開策が思いつかない。 パリキス護衛に向かった二人に至っては、メルテシオンの武器庫で見つけたチタン鋼の縄にエンチャント【魔力付与】したものを持たせただけだ。
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