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二人の黒コート。
予想外とはこの事だろう。
まさか、こんな道程で遭遇するとは。
(しまった……!! 考えが浅過ぎた)
索敵用の妖精の内側である。
まるで、待ち伏せしていたかのような絶妙なタイミング。
相手は戦力を集中するか、二分すると読んでいた。
しかし、相手は戦力を三分割して来るとは。
足止めだと考えると、黒コートの本命は召喚神殿と言う事になる。
後は時間の戦いだ。
がら空きの召喚神殿に行かせる訳には行かない。
鍵の保持者は確実に最下層であろう。
(見えている? 見えていない?!)
レーヴェは生唾を飲んで身構えた。
既に麒麟兄妹は臨戦態勢である。
姿隠しの魔術は継続中だ。
上手くやり過ごすのが一番無難な選択だが、それが可能かは相手次第である。
レーヴェはゆっくりとトーラス・チェーンを取り出す。
レーヴェは対魔獣用の封縛専用のトーラス・フルートを幾つか用意して来た。
心許ないが、以前のような広域結界では無いため、相手を捕獲するには限りなく行動不能にする必要性がある。
黒コート相手にそれは限りなく難易度が高い戦術ではあるが、それしか現状では打開策が思いつかない。
パリキス護衛に向かった二人に至っては、メルテシオンの武器庫で見つけたチタン鋼の縄にエンチャント【魔力付与】したものを持たせただけだ。
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