ロスト・ナンバー #2

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黒コートを行動不能に追い込み縄で縛り上げる。 そんなシンプルな戦術しか用意できていない。 レーヴェ達の戦略はパリキス護衛軍の防衛を成功させ、黒コートを撤退させる。 そして、召喚神殿に向かったレーヴェが円城とクェイガーを召喚し、そこで黒コートと決着をつけると言う算段だ。 しかし、黒コートは三部隊に分かれている。 二部隊を陽動としたのならば、完全に裏をかかれた形だ。 今までの情報の累積から、召喚神殿は一定時間を過ぎれば守りはがら空きになる。 冥魔黎明衆本隊が現れた時間は定かでは無いが、その後ならば高確率で守りが薄くなるのだ。 そこならば少数の黒コート達でも攻略は容易であろう。 時間的猶予は一見あるが、レーヴェ達は冥魔黎明衆が現れる前に地下に行かなければならない。 レーヴェ達がそう判断した理由は単純明快だ。 冥魔黎明衆が現れてからでは深部到達は格段に難しくなり、尚且つパリキス護衛軍との本格戦闘が始まれば、そこを抜けるのは不可能に近いだろう。 その為、冥魔黎明衆が現れる前に深部付近に潜伏し、隠れて冥魔黎明衆をやり過ごすのが命題となる。 その後ならば、思う存分に黒コートと対峙出来るだろう。 それを遂行するには、早期の深部到達が急務となる。
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