ロスト・ナンバー #2

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広い坑道に緊張が走る。 静まり返った空間に、妙な音が反響し始めているのは、何処かで本格的な戦闘が始まったからだろう。 (グズグズはしていられない。でも……) 黒コートの一人の足元の砂が、波立つようにうごめいている。 蒼の駿足の蹴りを防いだ以上、ただの砂ではないだろう。 「新し■仲間……のようだね。部外者には退場願いた■が後にしよう。先ずはこの不毛な戦いをやめにしよう」 砂の後ろに立つ黒コートは、そう言い放つとフードを取った。 黒髪の、少しやつれた感じの三十代前半の男の顔が現れた。 もう一人も仕方がなさそうにフードをとる。 そちらは茶色いくせっ毛が目立つ、糸のように細いまなこの男が顔を出した。 「僕■の名はエッジチェイン。彼はギラルド。この名前に覚えは■いかな?」 「……ないよ」 その返事にエッジチェインは緩やかなため息をついた。 首を振るジェスチャーは諦めより、呆れた雰囲気に似ている。 「やはり■憶の欠損か。仕方が無い。アプ■ーチ法を変えよう。君は此処を動くな。それだけで良い。ことが成就す■ば、それが正解だったと思うはずだ」 「事が成就? “その事”と具体的に何なんだよ」 レーヴェの呟きには、疑念の険が含まれている。
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