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(全てが真実とは限らない……でも、それが真実だった……ら?)
頭に浮かぶ暗黒の世界。
背筋に悪寒が走る。
ただ、闇に沈んでいただけでも孤独で狂い死にしそうな世界だった。
あそこに戻るかも知れないと言う恐怖。
レーヴェは自分の身体を抱きしめた。
冷や汗が溢れ出す。
(何も……結果を早急に求めなくても良いんじゃ……ないのかな? 彼等がしようとしている事の結末を見てからでも……判断は遅くない……はず)
意気阻喪気味のレーヴェを目に留めて、円城は大きなため息を吐いて拳を振り上げた。
「レーヴェ、クェイガー! てめぇーらはそれで良いのか! 今までの話が本当だとしても、そのネメシスとか言う邪神を甦らせて、それで生き残って満足か!!」
その叫びに二人は沈黙したままだった。
円城の言葉が耳に残る。
だが、言うべき言葉が口から出てこない。
それを見て円城は唾を海に吐き捨てた。
「ネメシスは邪神何だろうが。 こいつを倒した奴が勇者と奉り上げられるぐらい最悪の奴って事だよなぁ? それを復活させる? 俺達のエゴの為にか? こいつが甦ったらどれだけの被害者が生まれるんだぁ? あぁ? 俺達が助かる為に、何人死ぬことになる?! どれだけの犠牲の上に生きる気だ?!!」
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