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「簡単な事だよレーヴェちゃん。ネメシスが消えれば俺達は全員消えるからさ」
「全員……消える?」
「俺達は全員、ネメシスの力で活かされている。だから、ネメシスが消えれば俺達の存在もあっさり塵に戻るって事さ」
要領を得ない答えにレーヴェはますます当惑する。
周りの黒コート達はただ沈黙したままだ。
円城も先程から渋い顔で話を聞いている。
小さい波の音と海風だけが鳴り響いていた。
(ボク達はネメシスに活かされている? 自分を復活させる為に? 滅ぼされた存在が死者を蘇らせた?)
意味不明な答えにレーヴェは首を振った。
辻褄が合わない。
例え相手が“邪神”と呼ばれる存在だとしても、滅んだモノが死んだモノを蘇らせる事は不可能だ。
それが可能ならば邪神の眷属は永久不滅と言う事になる。
幾ら何でもそれは不可能だ。
「その話には無理がある。それが本当なら……邪神霊ネメシスはどうやって僕らを生き返らせたんだ? おかしいじゃないか! 滅んだ存在が、無から有を生む事など出来る訳が無い」
その答えに何故か黒コート達は失笑したようだった。
周りの冷めた視線に憤りを感じる。
まるで無学を嘲笑う選良主義者のようだ。
「貴様らは致命的な考え違いをして■るぞ? 我等を蘇ら■たのは邪神霊ネメシスではない」
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