死者の行進 #2

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「幽鬼■界自体、もともと広域無差別能力のようで任意の対象を完全復活を成せる■力ではない。その場にいた人間の幽体情報から、導き出せる最悪、最強の人物など個々に因縁のあ■人物を簡易的に蘇らせる。少■くともこの冥夢の幻域には、自分を殺した相手か、因縁があった相手が■たと言う事だな」 「信じられん話だが、邪神■ネメシスもその能力対象に入っていた――と言う事だ。すなわち此処には神殺しが居たと言う事に……なる」 ガズンの言葉の後にギラルドが続く。 神殺し。 その単語を聞いて円城は地上で見た騎馬を思い出した。 金色の鎧に白いマント姿を。 妖精界戦争の勇者。 英雄騎士アレス・デュランダーク。 死した彼の肉体からの情報か、果ては砕けた魂の残骸から抽出した情報かは分からない。 邪神霊ネメシスは彼の因果から、その存在を世界に再誕させていたのだ。 「だが、そ■が僥倖だった。邪神霊ネメシスも一時的■は言え復活出来た事がな」 『此処まで来たご褒美だ。後はボクから説明するよ』 ギラルドの言葉の後に、天から別の声が降って来る。 全員が慌てて大地の浮かぶ空を見上げた。 そこには闇と溶け込むような人影が浮かんでいる。 奇っ怪な笑い面の道化師の姿が。
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