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「あれは……?! “あいつは”」
レーヴェは大きく目を見開いた。
記憶の断片に潜む道化師の姿。
あれはそれと一緒だと本能が囁く。
輪廻の基点に存在する道化師。
全てを嘲笑うかのような仮面は、失笑を買う姿では無い。
人を嘲笑う為に生まれた悪魔のようだ。
「もしかして……あいつが……あれが邪神霊ネメシス」
《何を言っている! 奴は違うぞ。あれは“精霊【しょうりょう】の塊だ》
「……えっ? ネメシスじゃ……ない?」
デルエペラの声にレーヴェは目が点になった。
それでは、幾度見たこの不可解な道化師とは?
混乱するレーヴェを見て、道化師は声なく笑ったようだった。
『話の続■をさせて貰うよ? 君達は時■に消え去る。君達を顕在化させた能力者も時期に“黒き戦鬼”に倒■れ、この冥夢の幻域を支える霊脈も破壊される。それで君達を現世に繋ぎ止■ていた力は完全にパァーさ。後は塵に戻るばかり』
「ボクらは……消え去るのみって事かい」
「それが嫌だから、皆は邪神霊■メシスを復活させようとしているのさ。ネメシ■は冥道を司る邪神。仮初めの魂の回帰を止める事が可■なんだよ。現世に完全に固着出来れ■ばだけどね。その為に必要なのが……』
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