終焉を喚ぶ者 #2

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「話が……見えないんだがね」 クェイガーは不可解そうに消え去った黒コート跡を見た。 今では水面に消え去り、ただ、低いさざ波の音しか聞こえてこない。 『なーに、保■の話さ保険のね』 屈託なく喋る道化師は、軽く小躍りを始めた。 水面の上を浮遊しながら踊る姿は、正しく道化師のようだ。 「そうか……そう言う事何だ……。やっとボクの……今までの記憶の意味が……分かった」 レーヴェの苦渋に満ちた声に、全員に視線が注がれる。 その声を聞いて、道化師は愉快そうに笑い出した。 『あっ、気付いちゃっ■かな? 君を今まで旅をさせ■来た理由に。やっぱり魔術師は頭が良いね』 更に笑い声が大きくなる。 レーヴェはその不愉快な声に、顔を顰める事しか出来なかった。 度重なる違う記憶の断片は世界を巡ってきた証だ。 並行世界巡りか、タイムリープか、明確な仕組みは分からない。 一定の時間範囲内を、繰り返し過ごして来た事を指し示しているのだけは確かだ。 それに寄って生まれるメリットとデメリット。 始めは黒コート達が言っていた、対ガルン用の力を内包する為だと思っていた。 自分の能力もちょうどそれに当てはまる。 しかし――この世界を巡回する事によって、起こる弊害がもう一つあった。
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