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闇使いが用立てた武器なのは間違いなさそうである。
剣に注視しているガルンを見て、ギラルドが始めに動いた。
本人的にはそれを隙と捉えたらしい。
お得意のスローイングダガーを両手で八本投げ放つ。
それに合わせてガズンが動く。
タイミング的にダガーと同じ攻撃速度だ。
勿論ダガーは爆薬化済みである。
ダガーをガルンが弾けばその場で爆発。
ガズンも本来それに巻き込まれるが、“スタグナター【停滞者】”の特性を活かして“爆発に巻き込まれながら攻撃をする”と言う選択を選んだようだ。
一度の戦いでガルンの強さを実感した、武術家ならではの判断と言えよう。
それに対してガルンが行った行動は至極単純であった。
刀の一振り。
横一文字に振られた妖刀からは、衝撃波と水の膜が生まれた。
風圧でダガーは弾かれて誘爆。
それにより発生した爆炎は綺麗に水の膜に阻まれる。
ガズンは内心舌を巻いたが、水の膜と爆炎がブラインド変わりになっている事を好機と判断した。
短い吐息と共に水の膜に拳を打ち付ける。
寸勁。
水膜に拡がる波紋が一瞬で拳前に集約する。
大気を伝播させて、衝撃と気を相手に叩き込む拳闘士の高等技術。
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