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「これはまずいかもな……」
クェイガーは顔を微妙に引き攣らせて円城を見た。
そちらの方もかなり分が悪い。
円城が戦っているのは白いチャリオットだ。
銀色のフルプレートアーマーの騎士がランスを片手に、銀のチャリオットの手綱を握っている。
だが、その能力はデュラハンと呼ばれる死霊騎士に近い。
「何だこいつは?!」
叫びながら円城の拳が唸る。
しかし、その拳の一撃を受けるとチャリオットは霧のように霧散して、形を分散させるだけで直ぐに元の形に戻ってしまうのだ。
死霊騎士。
幽体で構成されている不死族。
物理攻撃は一切効かない。
打撃とテレキネシスの円城には最悪の相性と言える敵だ。
チャリオットの突進からランスが伸びる。
まるで吸い込まれるように胴体に迫る切っ先を、身体を捻って躱す。
それは脇腹の服を切り裂き、血飛沫を上げさせた。
「こっちの攻撃は効かない癖に、野郎の攻撃はこっちに効くのかよ!」
舌打ちを鳴らすが対応策が思いつかない。
円城は劣勢に陥り始めていた。
その様子にはレーヴェも気づいていた。
銀色のチャリオットは幽体だ。
物理攻撃は効かない。
だが、魔法攻撃ならば別だ。
魔術攻撃なりエンチャント【魔力付与】をかければダメージは与えられる。
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