神に挑む者 #2

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しかし、レーヴェは動けないでいた。 目の前にいる紫の魔道士と相対しているためだ。 魔道士の周囲には様々な魔道書が浮遊している。 その内の一つはその手の中で開かれ、ページが無数に宙に舞っていく。 レーヴェも戦闘準備は終わっていた。 デルエペラの花弁は展開済みである。 「多目的汎用魔道兵装“デルエペラ”、シルバースティール装填モード。シルバーカートリッジ充填。量子詠唱術式“リフレクション・ローダー”起動。詠唱を未来に一任する」 身体の周りに浮いた、銀色の花弁が淡い光を放ち出す。 それに反応するように紫の魔道士は魔道書片手に、空いた手を挙げる。 「インフィニティ・グリモアライズ」 魔道士の身体を中心に、光の波動が三条外へと拡がって行く。 それを見ながらレーヴェは起動術式を発露させる。 「アンプランテ・アヴニール04解放。トーラス呪詠式・ソロ“煌めく氷華”!」 「アイス・ストリーム・ヒートリード」 デルエペラの花びらが輝くのと、魔道書のページが燃え散るのは同時だった。 空中で氷風と氷風がぶつかり合う。 中間の水面が一瞬で凍りついき、大気にダイヤモンドダストが舞い輝く。 それを確認してレーヴェは小さく目を細めた。
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