神に挑む者 #2

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神に挑む者 #2

「冥魔黎明衆の力で甦ったお前は、あくまで邪神霊ネメシス。神と言う存在から劣化した、今の貴様と言う分けだ」 そう言い切ると、ガルンはかつてパリキスに聞いた話を反芻した。 数少ないパリキスとの会話の記憶は、今だガルンの中では宝石のように輝いている。 ネメシスは自らの手を見ながら拳を握り込んだ。 ネメシスが復活出来たのは、この劣化のおかげであった。 本来、ゼンルーの能力“幽鬼鏡界”では神など復活出来はしない。 そこでガルンは気がついた。 目の前にいる存在は、冥王ネメシスの劣化存在だ。 邪神霊ネメシスではない。 では、融合したとされる邪精霊は? そこでガルンは一つの結論を導き出した。 不可解な存在はもう一人いたのだ。 天と地が逆転した海の世界に。 「そう言う事か……。始めからいた道化師。アレが“邪精霊”か」 ケラケラと笑う道化師の姿が脳裏に過ぎる。 あれがネメシスの片割れと言うならば、黒幕と言うのも頷ける。 だが、不完全なネメシスと違い邪精霊は劣化していたようには見えない。 今回の事件の首謀者が邪精霊ならば、その力だけが健在な理由だけが謎である。 しかし、その謎は呆気なく本人が別の場所で明かしていた。 酷くあっさりと。
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