不条理と言う名の奇跡 #2

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まるで花びらの衛星が、主星の周りを回るように展開していく。 それに合わせるように円城が走り出す。 それを見てアフティは肩を竦めて見せた。 『やれやれ。大根役者ほど舞台で悪目立ちを■るものだ。劇は終幕だ。悲劇は■劇らしく締め括ろう』 道化師の腕が前方に伸びる。 向くのは特攻してくる円城だ。 それを阻むようにレーヴェの声が上がる。 「アンプランテ・アヴニール4、12、25連鎖解放。トーラス呪詠式・ソロ“羽ばたく雷吼”“弾ける大気”デュオ“切り裂く空”!!」 花弁が輝き、雷撃、暴風、そして大気に真空の裂け目が広がって行く。 円城を巻き込みそうな勢いだが、当人は気にした風も無く走りつづけている。 レーヴェを信頼してこその行動だろう。 『やれやれ。我は排斥する。我に近■くモノを悉く退け■事を切望する』 アフティの声に応えるように空間が軋む。 空間の歪みが渦を巻くと、レーヴェの攻撃はあっさりとそれに飲み込まれてしまった。 その渦が元の姿に戻ると、攻撃した全てが辺りに撥ね飛んでいく。 「なっ……?!」 烈風が水面を吹き飛ばし、雷撃が水面に落ちて消え去るのをレーヴェは呆然と眺める。 アフティは攻撃をさらりと弾き返すと、再び狙いを円城に戻した。
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