不条理と言う名の奇跡 #2

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「くっそ……。まだ生きてやがったのか?!」 円城は一瞬よろめいたが、直ぐに真上を見上げる。 レーヴェの連続魔法によって仕留めたかに見えたが、抜け殻と言え希代の魔女の力は健在らしい。 見上げた円城の背後がいきなり鳴動する。 振り向くと大穴から大量の水が噴き上がり、まるで噴水が天を突くように舞い上がっていた。 その中心からアフティがゆっくりと姿を現す。 仮面の半分は見事に砕け、内側には何やら無数の目らしきモノの光が見える。 怨念の塊と言うのは嘘ではないらしい。 『ふむ。やはりお■しい? 明らかなオーバースペックだ。テレポートに■レキネシス。それにフォースフィー■ド。今頃……ハイ・レイヤー“領域を越えし者”の力の片鱗が……覚醒し始■た? 生前にすら目覚めなかった力が……? 奇妙な症例だ』 自分を見る奇異な視線を円城は睨み返す。 “ハイレイヤー”と言うワードは、マドゥールク共和国の研究所で見た覚えがある――そして、微かに記憶に走る苦い思い出も。 自然に言い知れぬ怒りが沸き上がる。 円城は荒々しく海面に唾を吐き出した。 血が混じっているが気にした風もない。 「勝手にてめぇーの物差しで人を計るんじゃねぇーよ。まあー、何の力だろうがてめぇーをボコれるなら文句はねぇーがな」
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