不条理と言う名の奇跡 #2

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二人が前を見据えたまま動かなくなった事に、アフティは不自然さを感じた。 しかし、圧倒的アドバンテージが油断を導く。 『まあ~良いさ。そのまま死■たいのなら、そのまま死に■まえ』 まるで蠅でも払うような仕草をすると、黒コート達が素早く動き出す。 それを見てから二人は頷いた。 直ぐさまレーヴェは腕を突き出し両目を閉じると、足元と空に三重の魔法円が拡がっていく。 「メビウスリンク完全解放。時空干渉虚影眼発動。シンギュラリティ・ゲート全力展開!!」 それを見て、流石のアフティも目の色を変える。 クンプトゥスの小鍵。 幾重もの時間軸、世界を流転しながらもその因果を繋ぎ止め、知り得た世界の扉を開く“時空の鍵”。 神代級の秘法であり、それを身に仕込んだのは依り代のスペアだったレーヴェとサンドリガーのみだ。 だが、レーヴェには己が内に眠らせていた特殊能力――リンク・リインフォース【繋がる援軍】の力がある。 『それは……少々厄介■ね。でも、“黒き戦鬼”は既に呼び出し■いる。今更何がありますかね?』 アフティは含み笑い浮かべながら、召喚ゲートを見る。 呼び出せる人間はたかが知れている。 脅威となる人物との接触を見た覚えはない。
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