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「何かな? あのふざけた奴は? こいつらの親玉見たいだけど……とりあえず殺っていいかな?」
アスラージュは微笑を浮かべながらも鉄槌を取り出す。
サクラメント【成聖武装】を取り出したのはウォータルも同時だ。
眼鏡の中心を指で押さえながら、冷徹な瞳でアフティを睨む。
「貴様には殿をさせた借りがある。それに……こいつらはメルテシオンの脅威となろう。此処で排除するのは吝かでは無いな」
やる気の二人の背を見てクロシードはため息をついた。
理不尽に巻き込まれるのは何時もの事である。
それでも十七対五だ。
戦力差は目に見えている。
しかし――
レーヴェは新たな呪文を唱えていた。
「援軍はこれだけじゃない!! リンク・リインフォース【繋がる援軍】!! 来たれ、進軍せし来たるべき騎士団!」
足元の魔法円がさらに拡がって行く。
海面を弾きながら拡がった魔法円から、次々に騎兵や歩兵が現れた。
そこには神誓王国メルテシオンの旗を翳した、一個大隊の騎兵団が姿を現す。
『何だ■こいつらは……?』
流石にアフティも怪訝な口調で感想を述べた。
こんな騎兵団など、時の狭間でも観測していない。
全くのイレギュラーだ。
だが、その中に知っている顔があった。
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