不条理と言う名の奇跡 #2

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「何かな? あのふざけた奴は? こいつらの親玉見たいだけど……とりあえず殺っていいかな?」 アスラージュは微笑を浮かべながらも鉄槌を取り出す。 サクラメント【成聖武装】を取り出したのはウォータルも同時だ。 眼鏡の中心を指で押さえながら、冷徹な瞳でアフティを睨む。 「貴様には殿をさせた借りがある。それに……こいつらはメルテシオンの脅威となろう。此処で排除するのは吝かでは無いな」 やる気の二人の背を見てクロシードはため息をついた。 理不尽に巻き込まれるのは何時もの事である。 それでも十七対五だ。 戦力差は目に見えている。 しかし―― レーヴェは新たな呪文を唱えていた。 「援軍はこれだけじゃない!! リンク・リインフォース【繋がる援軍】!! 来たれ、進軍せし来たるべき騎士団!」 足元の魔法円がさらに拡がって行く。 海面を弾きながら拡がった魔法円から、次々に騎兵や歩兵が現れた。 そこには神誓王国メルテシオンの旗を翳した、一個大隊の騎兵団が姿を現す。 『何だ■こいつらは……?』 流石にアフティも怪訝な口調で感想を述べた。 こんな騎兵団など、時の狭間でも観測していない。 全くのイレギュラーだ。 だが、その中に知っている顔があった。
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