不条理と言う名の奇跡 #2

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グライドの言葉にアフティは肩を震わせて笑い出した。 道化らしい、手足を揺らした奇妙なふざけた笑い方だ。 『お■おい。確かに驚きはしたが、この程度の戦力でボクら■勝てると思っているのかい? 悪ふざけも大概にしたまえ?』 「誰がこれで終わりといったんだい?」 レーヴェの瞳の光りは消えていない。 そして、魔法円も。 「リンク・トレジャリー【繋がる宝物庫】起動。デルエペラ・アーカイブに強制接続! 来たれ魔女の至宝。魔道の深淵に繋がりし数多の具足!」 声と共に足元の魔法円から無数の武具が迫り出して来る。 古今東西の見慣れない武器から、一見戦闘とは関係ない楽器や調度品すら混ざっていた。 それが妖胤の魔女ヘルメキア・ラングサーが秘匿していた秘宝群だと誰が知ろうか? 奇妙な光景にアフティどころか全員が唖然とする。 「皆これを使って! これには全て魔道の力が宿っている。敵は倒しきれないだろうけど、牽制には十分だよ!!」 レーヴェの告知に、グライドは素早く全員にそれらを手に取るように指示した。 不可解そうながら騎士達は扱えそうな武器を手に取る。 《これで露払いは出来よう。まだ魔力は持つかマスター?》 「無くても意地でもやって見せる!! 皆さん黒コートの相手はよろしく!」
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