不条理と言う名の奇跡 #2

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円城がレーヴェに目配せすると、レーヴェは無言で頷く。 ここまでは全てデルエペラの筋書通りだ。 これだけの魔道武装戦力が居れば、黒コートの足止め程度は可能な筈である。 奇妙な武装集団を見てアフティは興味をそそられたのか、暫しその姿を眺めていた。 『どうやら……ボクは彼女の力を見誤って■たようだね』 しみじみ呟く言葉には、微妙に後悔の念が見える。 その能力の本質が分かっていれば、今までの戦略は見直していたかも知れない。 アフティはレーヴェの能力を、手に入れた様々な武器などを亜空間、異世界限らず内包して取り出せる能力と判断していた。 しかし、実際は違う。 レーヴェのリンク・リインフォース【繋がる援軍】は、手に入れた物以外にも、口約、契約などによる支援約束すら全て因果を歪めて実現化する能力なのだ。 即ち――援軍を連れて後から向かうと言ったグライド。 一度だけ必ず助けると告げたガルン。 いつか借りを返すと告げたウォータル。 力になると告げた麒麟兄妹。 そして、つい先ほど“デルエペラに許可をうけた”ヘルメキアの亜空間魔道宝具庫。 それら全てにレーヴェは支援要請を出せるのだ。 契約したあらゆるモノに支援要請を出す能力。 それがレーヴェの能力なのだ。
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