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「始めるよ円城!」
「おうよ!」
円城に声をかけると、レーヴェは足元から三日月形の鎌を取り出した。
鎌の刃部分はレーヴェの肩幅程度の長さしかない。
明らかに道具に分類される物で、鎌と言うよりは杖に近い。
「これが切り札だよ」
『……そん■ものが切り札かい?』
「感想は……受けてから言うんだね!」
レーヴェの前方の空間に積層型の魔法陣が拡がって行く。
その中心に鎌を差し込む。
まるで鍵穴に鍵を差し込むようなモーションだ。
『……気に■る程とは思わないけど。ただ受ける■は芸がないね』
アフティが腕を伸ばすと黒コート達が動き出す。
「来るぞ! 向かい討つぞ野郎ども!」
グライドの号令に従い騎士達が次々に武器を構える。
それはウォータルとアスラージュも同様だ。
「先手を打つぞアスラージュ!」
「あいよ!」
ウォータルの声に答えるように、アスラージュは海面に鉄槌を打ち込む。
迸る雷撃は指向性があるのか前方に扇状に拡がって行く。
飛び上がる者、防御する者、意に介さない者と対処法は様々だ。
そこにウォータルが同じく海面に手を付く。
「フリージング・ウェーブ!!」
盛り上がる様に津波が出来上がる。
それが通り過ぎた海面がなぞるように凍って行く。
着地した何人かと、防御した数名の足が海面ごと凍りついた。
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