不条理と言う名の奇跡 #2

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「不死ならば、我が氷撃で封じるまでだ!」 次々に海面が凍って行く。 その凍った海面を滑るように黒コート三人が進む。 それに立ち向かうように騎馬が凍る大地に脚を乗せて走り出した。 戦いの始まる中、真上の大地に立つヘルメキアの破棄式の魔術が駆動する。 「悪いがさせねぇーよ!!」 背後から聞こえる声に、ヘルメキアは表情一つ変えずに振り向く。 その頬に拳が食い込んだ。 「おらぁああ!!」 裂帛の気合いと共に拳を振り向いたのは円城だ。 テレポートからの零距離攻撃。 魔法障壁は円城のバニシングナックルには無意味だ。 それを避けるも防ぐも叶わず、ヘルメキアは遥か先に吹き飛ぶと今度は海面に落ちて行った。 「悪ぃな。完全な不意打ちだが……人形ならかまわねぇーよな?」 自然落下しながらそう呟くと、眼下に見える戦闘を眺める。 王宮近衛騎士団は互角に戦っているが、やはり混成騎士部隊は旗色が悪い。 「やはり……ボロが出る前にケリを着けるしかねぇーな。頼むぜレーヴェ」 その声が聞こえたかのようにレーヴェは魔術式を完成させる。 「代えがたき弾頭を持って魔を穿て! バレリアル・ガルブェーユ【無双の魔弾】!」 轟音と共に、レーヴェの手から弾頭と化した鎌を撃ち出す。 光の弾丸となったそれは破滅的な威力があるように見えた。
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