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『秘宝の弾丸化……ねえ。確かに■宝を使い捨てのエネルギーにすれば、そ■は強力ではあるけど……こ■程度で切り札ってーのはナンセンスだね』
アフティが手を翳すと空間が収縮する。
そこに吸い込まれるように光弾は飲み込まれた。
呆気ない結果に、周りの騎士達が茫然としている。
それはウォータルやアスラージュも同様だ。
『やれやれ、しょ■ん端役の力はこ■なものだよ。さあ、そろそろ幕を降ろそ……』
アフティが最後まで言葉を発する前に、空間に奇妙な音が鳴り響いた。
硝子にヒビが入ったかのような、甲高い圧迫音。
アフティの目の前の空間にヒビが入っていく。
それは先ほど空間が収縮した箇所と一緒であった。
『なっ……?!』
破砕音と共に空間が砕け散る。
まるでそこに世界を写し込んだ鏡があったかのように、粉みじんに崩れ落ちるとパックリと黒い空間が空いてしまった。
その穴からは冥夢の幻域らしい風景が見て取れる。
『何だよこれ?! ボクの■み出した“渇望事象”どころか、空間■界すら打ち砕いた?!』
「能力で防いだね!! それが命取りだよ! ボクが撃ち出した鎌は神代の秘宝。“絶望の神レーデラルファー”の魔鎌だよ。人の希望を刈り取り、生命の未来樹を細ばらせる効力がある。渇望とは望む思い――それは希望と同価値の意思の力。それを刈り取るのが、魔鎌の能力!!」
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