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アフティが額を押さえてのたうち回るが、じわじわと黒い炎が頭から身体全体に拡がって行く。
『ばっ……馬鹿な?! ボクの……ボ■らの身体が崩壊して行く?! こんなまが■物で!!』
「ざぁまー……見やがれ。会心の一撃だろクェイガー?」
円城は満足そうに笑うと、仰向けに崩れるように倒れる。
魔剣の炎を無視して拳を叩き付けた為か、右腕は肘まで綺麗に焼き切れていた。
「エン?!」
レーヴェは駆け寄ろうとするが、満足に足が動かない。
魔力の全力運転を繰り返した為か、体力や活力を根こそぎ使い切ってしまったようだ。
瞳の光も魔法陣も完全に消え去っている。
『こん■も……ので、こん■もので……滅ぼされるものか!』
アフティはそう唸るように叫ぶと、自分の身体に拳を突き刺した。
ハラワタを抜き取るように何かを掴んで引きずり出す。
黒い鮮血。
血と言うより黒い泥の塊のようなものが、次々に身体から海に落ちていく。
手に握っていたのは黒い雲の塊のようなものだった。
それを投げ捨てるように放り投げると、アフティはその場に崩れ落ちた。
黒い炎に包み込まれた身体は、黒い蝋燭のように溶けていく。
『ククク……ボ■らは怨念さ。人々の負の念があれば……幾■でも甦る」
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