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そう呟くとアフティの身体は黒い炭となって海水に溶けて行った。
それに連動するように世界が鳴動する。
主を失った空間結界が徐々に崩れて行く。
それは願望の具現化だった、アフティの兵――“スタグナター【停滞者】”も同じだった。
ゆったりと身体が光の粒子となって消えていく。
「どうなってんだ……こいつは?」
アスラージュは目の前で消えていく黒コートを、好奇な目で眺める。
それは増援に現れた騎士達全員も同様だ。
「やれやれ……だな。やっぱり俺も奴の力で……か」
そう呟いたのは円城だった。
身体がゆっくりと光の粒子に変わって行く。
アフティが消えたことにより、その力で維持されていた停滞した世界の法則が崩れたのだ。
止まっていた針がようやく動き出す。
死者は死者へ。
未来は未来へ。
訪れる死への未来へ、進まない為に生まれた閉じた世界。
アフティを中心に流転していた世界の壁は、こうして崩れたのだった。
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