不条理と言う名の奇跡 #2

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不可視の攻撃が標的を射抜くべく飛翔する。 だが――回避不可能に見える攻撃を、ガルンはあっさりかい潜って前に出たのだった。 あっさり目の前に来たガルンを、ネメシスは驚愕の表情で見つめる。 「馬鹿な?! どうやって攻撃軌道を知覚した!」 「見えもせず、理解も出来ないならば頭で考えるのは止めただけだ」 ガルンが殺傷衝動を完全に解放し、“虚理の殺意”を垂れ流しにしていた事を、神域で守られていたネメシスは感知出来なかったのだ。 洞窟全てを覆い尽くす“虚理の殺意”。 それは空間全てを殺意で埋めた、結界のようなものだ。 そこに差し込まれるネメシスの殺意を、兆しとして第六感の閃きで反応する。 神懸かり的な反射行動による回避運動。 まさしく人間ならではの恐怖、殺気を肌で感じる第六感での根拠の無い反応予測。 神では“理解出来ない”人間ならではの直感である。 「刻むぞ神? 人間の可能性を舐めるなよ?」 妖刀が閃く。 そこは完全に剣士の間合いだ。 「滅陽神流剣法・黒式“幻武”!!」 黒い炎が乱舞する。 閃光のような連続斬撃が大気を焼く。 ネメシスは直ぐさま神露の断片を生み出し、太刀筋の軌道に差し込んだ。 その全てを神速で防御して行く。
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