不条理と言う名の奇跡 #2

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だからこそガルンは神の機微を知っていたのである。 その心情を活かした、大胆な戦法は完全に功を制した。 とどめの鉄槌が振り下ろされる。 “虚世の焔”で焼滅ぼされるか、滅陽神の剣で斬り屠られるかは大した違いではない。 ネメシスは悪あがきをするのは止めたようだった。 妖刀は容赦なく一刀両断で半身を更に分断すると、ネメシスの身体は完全に灰となって燃え尽きた。 それを見届けてからガルンは妖刀を一振りすると、黒い炎はゆっくりと消え始める。 「引き裂いて殺せなかったが……まあ、これでパリキスへの暴言は勘弁してやる」 そう告げるとガルンは後方を振り向く。 気掛かりなのはレーヴェ達の戦いである。 気にはなるが、開けた穴は塞がれたのか亜空間を感知は出来ない。 こちらから戦場に戻る術はないのだ。 「黒幕とやらの野望は阻止出来た……か? 後はそちらの戦いだぞレーヴェ・ブロイエシュテルン」 見上げる先にレーヴェ達の戦場があるかは謎だ。 それ以上はただの感傷であろう。 ガルンはゆっくりと妖刀を背の鞘に戻すと召喚神殿を後にした。      ◇
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