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天井が崩れて岩が少しずつ海面に落ちて行くのは、空から爆弾でも投擲しているかのように盛大であった。
次々に水柱が上がる様は、船同士の大砲による艦隊戦のような装いに見える。
『ふむ……? おかしい。君■はそれ程の力は備わっていなかった筈だが?』
道化師は顎に手を当てながら、不思議そうに自分を睨む二人を見た。
相並ぶ二人には信念のような気迫が見て取れる。
「知るかボケ。てめぇーの勝手な物差しで計るんじゃねぇーよ!」
「貴方は止めます。人生を弄ばれてる人達の為にも」
『人生……かい? 第二の生があっ■だけマシとおもうけど?』
ケロッと通達するアフティに怒りが沸き上がる。
死の恐怖を感じながら、焦燥と生への渇望だけで生きる生が幸せだろうか?
レーヴェは怒りに任せて指を突き付ける。
道化師は不思議そうに指先を眺めた。
「誰もこんな生を望んでいない!! 君に操られたコマになんて誰もなりたくなんかない! ボクは君を絶対許さない!」
怒り叫ぶレーヴェを見て円城は少し目を見開いたが、直ぐに満面の笑みを浮かべた。
「良く吠えたぜ! あのクソ野郎は今から二人で全殺しだ!!」
「当然だよ!」
叫ぶとレーヴェの身体の周りに浮かぶ花びらが動き出す。
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