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朦朧とした意識を覚醒させたのは、頭に響く嫌な痛みだった。
偏頭痛のように、短い感覚でこめかみに痛みが走る。
(いっつ……。どうしたんだボクは)
目を開いたつもりが、辺りは真っ暗で何も見えない。
頭が朦朧としていて意識が混濁して来る。
貧血のために目眩が起こっているような、平衡感覚が狂っている感覚はあった。
その為、視界がブラックアウトしているのか、辺りが暗闇に包まれているのか判断出来ない。
「どこ……だよ、ここ?」
両脚に激しい痛みが走る。
不思議に足を見るが、真っ暗で何も見えない。
仕方なく直に触れて確認しようとする。
伸ばした手は、そこには触れるべき足首が消失している事を伝えてきた。
漠然とした現実が襲いかかってくる。
「えっ……?」
気付いた為か、足に灼熱の痛みが走り出した。
唇を噛み締めて足を動かす。
足首より先の感覚がない。
生唾を飲み込んで、悲鳴を上げたい気持ちを押し殺す。
声を上げる事を本能が拒んでいる。
(なんだ? 何が……どうなってるんだ)
落ち着いて自分を見つめ直す。
自分が何者で、何をしていたか記憶を揺り動かす。
(ボクは……ボクの名前はラディアリア・ブルースフィア。そうだ……今は戦争中だったんだ)
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