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現場から戻ったら、先程の事件の捜査会議がもうすぐ行われようとしていた。
仮眠室に下げられている使用中のプレートをひっくり返して未使用にし、勢いよく扉を開ける。
「山上先輩、起きて下さい! 時間ですよ~」
俺の声に、ピクリとも動かない。仕方なく中に入り、山上先輩の耳を覗いて見た。
「やっぱり、耳栓してるし」
徹夜明けの疲れている体で、現場に行っていた。だからこそ、短時間でも安眠すべくの耳栓なんだ。
それをいそいそと外し、揺さぶりながら声をかけると眠そうな顔をして、ぼんやりしたまま俺を見上げる。
「あと、五分だけ……」
そう言って俺の腰に、ぎゅっと抱きつく。
「ダメですよ。もうすぐ会議が始まるんですから」
「じゃ、あと三分……」
「もう――」
この人のワガママは時々可愛くて、どうしようもなくなる。
苦笑いしながら抱きついてる山上先輩の頭を撫でようと、右手を伸ばしかけた瞬間、
「ふああぁ、歳だなぁ。夜勤明けは堪えるわ」
扉が勢いよく開いたと思ったら、デカ長が大きな欠伸をかみ殺して中に入って来た。
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