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「水野……おい、水野?」
耳障りのいいハスキーボイスが、心配そうに俺を呼ぶ。快感に満ちた身体が重ダルくて、口を開くのも億劫だった。
ぼんやりしながら山上先輩の顔を見つめると、ぎゅっと強く抱きしめられた。
「何て顔してるんだよ。まだ、物足りないのか?」
「そそそ……そんな滅相もない、です……」
耳元で告げられる言葉に、赤面しながら答える。てか、息吹きかけながら耳元で言うのは、絶対に確信犯なんだろうな。
俺の挙動不審な様子を見て、ププッと吹き出しながら、そっと腕枕をしてくれた。
「水野ってさ、どんな女が好みなんだ?」
「どんなって。えっと?」
唐突な話題転換に、頭がついていかない。一体、何なんだろう?
「僕はどちらかというとスレンダー系の、可愛い感じのコが好み。はい、次。水野の番」
「うーん、そうだなぁ。俺はむちっとした感じで、ふわふわっとした感じのコかなぁ」
「ほー、なるほどね。水野の好みはグラビアアイドルみたいな、むちむちっとした体をしている、天然系の女のコが好きなんだ」
自分から話をふったクセに、なぜだかすっごく不機嫌になる山上先輩。
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