virgin suicide :想いが重なる夜

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*** 「水野……おい、水野?」    耳障りのいいハスキーボイスが、心配そうに俺を呼ぶ。快感に満ちた身体が重ダルくて、口を開くのも億劫だった。    ぼんやりしながら山上先輩の顔を見つめると、ぎゅっと強く抱きしめられた。 「何て顔してるんだよ。まだ、物足りないのか?」 「そそそ……そんな滅相もない、です……」  耳元で告げられる言葉に、赤面しながら答える。てか、息吹きかけながら耳元で言うのは、絶対に確信犯なんだろうな。    俺の挙動不審な様子を見て、ププッと吹き出しながら、そっと腕枕をしてくれた。 「水野ってさ、どんな女が好みなんだ?」 「どんなって。えっと?」    唐突な話題転換に、頭がついていかない。一体、何なんだろう? 「僕はどちらかというとスレンダー系の、可愛い感じのコが好み。はい、次。水野の番」 「うーん、そうだなぁ。俺はむちっとした感じで、ふわふわっとした感じのコかなぁ」 「ほー、なるほどね。水野の好みはグラビアアイドルみたいな、むちむちっとした体をしている、天然系の女のコが好きなんだ」  自分から話をふったクセに、なぜだかすっごく不機嫌になる山上先輩。
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