virgin suicide :想いが重なる夜

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 さっき溺れて下さいと言ったけど、俺の方が溺れてる気がする。今まで我慢していた分だけ想いがどんどん膨れ上がって、山上先輩の想いに絡まっていく。 「もっと……ほし、い。山上せんぱ――」  キスの合間にやっと告げた言葉を、一重瞼を細めて愛おしそうにじっと俺を眺める。 「まったく。僕の水野は貪欲だなぁ。そんな風に求められたら、適度な力加減ができないじゃないか」 「…っ……だって」 「分かってる。分かってるからお前の気持ち。僕も同じだから……。今まで傷つけた分、少しでもいいから繋がっていたいよな」  切なげに告げられた言葉に、俺は目を潤ませながらコクンと頷いた。  お互い想い合ってるのに、傷つけあった俺たち。一番近くにいたのに、遠い存在だった。だからその分だけ繋がっていたくて、一晩中求め続けた。    この幸せがずっと続けばいいのに……だって幸せを感じるのって一瞬だから――
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