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「こんにちわ!よろしくね!」
ライブ二日前のリハーサルで、林山さんは現れた。
「ね?ね?アンティークってどの子?見せてよぉ」
「ね、ね、今からやろーよ!」
楽器や音響チェック中から、うろうろしている。かなりアクティブな人だ。
今日からアンティークもリハに参加する。まあ、いちスタッフゥーとして現場には来ていたので、通し稽古のようなものだ。俺はスタンバって箱の中に入る。
「では、アンティークさん入りまーす」
ガタゴトと運ばれる。
箱の中は真っ暗だし、自分でも目をつぶっているので、音に敏感になる。
「ね?あの中に入ってんの?マジで!?リハなのに?」
テンション高めな質問攻めは、俺の耳にも届いていた。
ガチャガチャと音がして、フワッと外界の空気が入ってくる。俺はまだ起きない。
「では、一曲通しまーす」
スタッフが準備し、一瞬の静寂が走る。
「アンティーク起動!」
ひろしの合図、そしてドラムのカウントが二つ入ってひろしのギターが唸り出す。
さあ、俺にスイッチが入る。
―俺は歌人形、アンティークだ―
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