三章

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「お疲れっした」 丸一日、リハに費やした。 明日は細かい舞台装置の演出などの最終チェックが行われる。 このライブは初めて尽くしで、コラボも、曲提供もそうだが、なんとバックダンサーまで着くのだ。 ロックバンドでダンサー? 今はパフォーマーって言うらしい。 明日のリハで、そのパフォーマーが五人入るらしいんだが、大丈夫なのか?と不安になった。 その日のリハ。 俺の不安は最高潮に達した。 「よろしくお願いします!」 声を揃えて挨拶してる女の子たち。 どこかのアイドルか? 箱の中にいるので音でしか聞けない。 「えー、今回オーディションで決まったディアマイの専属パフォーマーです。よろしくお願いします」 プロデューサーが紹介してる。もう一度「お願いします!」と聞こえてきた。 チョット待て。 あれってしょうこが受かってたやつだよな? まさか、二流ドラマとかB級C級映画じゃあるまいし… なんか、居ても居なくても嫌だな。なんて複雑な気分。 いやいや、居たら困るって! そんなときに曲が始まる。 俺は自分の中のスイッチを入れた。 ―俺は歌人形、アンティークだー
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