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「なんだ、親の勧めか。だから、やる気がないんだな」
「やる気はあります」
彼女が涙目で、俺を睨んだ。そんな目で睨んでも、俺はびくともしないよ。
「明日からどうする?辞めるなら俺から人事部に伝えるけど」
「辞めません。一ヶ月、ちゃんと働きます」
「ふーん、泣き虫なのに根性あるんだ。ていうか、パパが恐いのかな?頼むから、俺の足引っ張らないでくれよ」
「……負けないから」
「あのさ、さっきから負けない、負けないって、どういう意味?」
「意地悪なあなたには負けない。馬鹿にしないで下さい。ジュースご馳走様でした。失礼します」
彼女は飲み掛けのジュースを握り締めたまま、休憩室を飛び出した。
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