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「お先に、失礼します」
葉月さんに頭を下げる。ちょっと間を開け、ぶっきらぼうな返事が返って来た。
「……お疲れ。はぁ…」
言葉の後には、大きな溜め息。私に視線を移すことなく、葉月さんの目はパソコンを食い入るように見つめている。
何で…?
挨拶する時は、人の目を見てするもんだよ。
会議資料を破棄した私が悪い事は、よくわかっている。でも、その態度はあまりにも酷い。
高校生だからって馬鹿にして…。
悔しくて、また涙腺が緩む。
「あのさ、野田さん。向いてないと思ったら、明日から来なくていいよ」
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