661人が本棚に入れています
本棚に追加
泣き顔の私。
葉月さんは私の手を掴み、椅子から立ち上がる。
黙って私を休憩室に連れて行き、自販機にコインを投入しボタンを押した。
ガタンと大きな音がし、ジュースが取り出し口に落ちる。
いつもの…缶ジュース。
泣いている子供を、物で宥めるみたいに、葉月さんは私にオレンジジュースを差し出す。
差し出されたオレンジジュースを、私は両手で握り締めた。
葉月さんの手の温もりが、微かに残っているジュースの缶。
葉月さんの優しさも…
この缶に…
沢山詰まっている。
最初のコメントを投稿しよう!