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「お前さ、今日で終わりなんだよ。最後の最後まで、飽きもせずよく泣いたな」
「…すみません」
葉月さんの口調は珍しく穏やかなのに、私の瞳は潤む。
「…ったく、普通に話しているのに、何で泣くかな。俺はすぐ泣く女は嫌いなんだよ」
「…すみません。一ヶ月、迷惑掛けしました」
ちょっと怒った葉月さんが、自販機に背を凭れ私を見下ろす。
「また泣く。でも…明日から野田の泣き顔見れないんだよな。…ちょっとだけ…寂しいかも」
「…ぇ?」
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