Sweet 6

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黒い革財布から、千円札を数枚抜き出し、彼女に渡した。 「自分の分は払います」 「いや、いいから。俺が誘ったんだし」 「でも…」 「いいから、とっとけ」 テーブルで女子高生に金を握らせる俺。隣のテーブルに座っていた子連れの主婦が、俺を軽蔑したような目で見ている。 「俺達、援交してませんから。ジロジロ見ないでくれるかな」 思わず叫んだ俺は、店内にいた客の視線を一斉に浴びる羽目になった。 なんてことだ。 「お待たせしました。葉月さん、なんか怒ってます?」 「怒ってねーよ」 彼女は笑いながら、俺にダブルチーズバーガーとコーヒーを差し出した。彼女はチーズバーガーとオレンジジュースだ。
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