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チケットを購入した俺は、そっと彼女に右手を差し出した。彼女は少し躊躇したように俺を見上げた。
後方から走って来た子供に、ドンッと背中を押された彼女は、揺らいだ拍子に俺の右手を掴んだ。
俺は彼女の手を握る。
中学生みたいなデートに、内心照れ臭い。
「葉月さん、ジェットコースター乗りませんか?」
「いや、やめておく」
「どうして?もしかして…怖いの?」
「まさか、長蛇の列だし。二時間待ちとかあり得ないだろ」
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