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「おい、松井!起きろ!」
「ん?着いたの?」
松井はタクシーを降りようとした。俺は松井の体を押さえる。
「ばか、降りるな。さっさと帰れ!」
「うぅっ、気持ち悪い。吐きそう」
「お客さん、車で吐かないで下さい!」
松井はタクシーを降り、路地で嘔吐いている。そのすきにタクシーは、逃げるように発車した。
まじ、最悪。
「他のタクシー呼ぶから、待ってろ」
俺は携帯を開く。
「葉月君、水ちょうだい。気持ち悪い。水…」
「水?…ったく」
開いていた携帯を、パチンと閉じた。
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