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――PU…RuRu…
電話の呼び出し音よりも、私の鼓動は速い。スリーコール目で、葉月さんが電話に出た。
『もしもし』
久しぶりに聞く葉月さんの声。優しい声にちょっとドキッ。
「もしもし…美紅です」
『ああ、わかってるよ』
あれ?
やっぱり不機嫌なのかな?
電話の周囲がザワザワと騒がしい。
「あのね、今どこにいるの?」
『今?居酒屋だけど。周りが煩くてよく聴こえない』
「会社の人と一緒なの?」
『電波悪いな。なに?何か用?』
相変わらず、冷たい。
――その時…
聞こえたんだ…。
『ねぇ、葉月君、やだぁだぁれ?』
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