579人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
◇◇
俺は電話を切ったあと、携帯をスーツのポケットに収めた。
まさか松井の声が美紅に聞こえているとは、考えもしなかったし、例え聞こえたとしても、松井は知人、やましいことは何ひとつない。
「ねぇ、葉月君。知ってた?」
「何?」
「私が、どうして葉月君の会社に来たのか?うふふ」
かなり酔っぱらっている松井。俺の肩に寄り掛かりニヤッと笑った。アルコールの匂いがプンと鼻をつき、俺は眉を潜める。
最初のコメントを投稿しよう!