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「社長と君のお父さんが、友人だからだろ」
「うん、ソレもある。けど、もう一つ目的があるの。知りたい~?」
松井は俺の頬をツンツンと指で触る。
「やめろ、もう一つの目的って何だよ?」
俺は水割りの入ったグラスを右手で揺らした。
「葉月君には、まだ黙ってなさいって、社長とパパに言われたんだけど、どうしようかなぁ~」
「だから、なに?」
「これってね、お見合いなの」
「ぶっ……」
俺は口に含んでいた水割りを、吹き出しそうになった。
松井は酔いが回り、少し赤くなった顔を、俺の耳元へ近付ける。
「ほ、ん、と、だよ」
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